続・朝ドライフ

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2023年05月20日

<らんまん・東京編>6週~10週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<らんまん・東京編>6週~10週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第42回のレビュー

「皆さんが勉学にご入用なもんがあったらどんとお申し付けください」
(竹雄)

竹雄(志尊淳)のこの言葉が衝撃的でした。

万太郎(神木隆之介)のみならず、御学友の皆さんにもお金を出そうとする、なんて豪気な。そして、なんと暢気な。

政府が近代化政策のため増税をはかり、酒への課税を増やそうとしています。今で言ったらたばこ税が上がっていくようなものでしょうか。これは庶民からとっているもので、お酒税は作った人からとるものですが。庶民いじめ(言い方)である点では同じです。

藤丸(前原瑞樹)の実家も酒屋で、「これから先日本中の酒屋が潰れていく」のではないかと心配していて、峰屋も? と気にかけますが、峰屋は大丈夫と竹雄は言うのです。

竹雄はほんとうに根拠なく大丈夫と信じているのか、それとも万太郎に心配をかけたくなくて強気を装っているのか、気になります。たぶん、後者……。

実際、峰屋は困っていました。
これまで売上に税金がかかっていたものが、できた時点で税金がかかるようになりました。どれくらい売れるかわからない段階から……。

峰屋に捜査が入って、密造酒の疑いをかけられたりして散々。
「運が悪かったら腐造やち……」と綾(佐久間由衣)は途方に暮れるのです。

腐造は女性が穢れているから起こると言われていましたが、そういう迷信的なことではなく科学的な根拠で考えられるようにはなっているようです。綾は政府の調査に対しても毅然と立ち向かっていました。

でも、心配なのはタキ(松坂慶子)の体調です。なんだか調子が悪そう。心臓が悪いみたいです。「あさイチ」では博多大吉さんが医者に行ったほうがいいと気にかけていました。タキは万太郎に知らせるなと言い含めます。

夢をもって遠くに旅立った者に何も語らず、明るい言葉を贈る、残された者の哀しい性分です。

万太郎は峰屋に刻一刻と近づいている不穏に気づかず、自分の夢実現に一生懸命です。持ってきた銘酒・峰の月があと一本になっているのも、何か暗示的でした。

気難しい田邊教授(要潤)に、植物の雑誌を作っていいか聞くタイミングを見計らう万太郎。西洋と日本の文化の違いについて問いかけたことで、教授の機嫌が良くなり、取り付く島ができてきます。教授は万太郎を”お出かけ”に誘います。こうして心象を良くしてお願いごとを取り付ける。万太郎もストレートではないやり方を学び始めたようです。

教授の知的好奇心をぴくりと動かした万太郎の話題は、絵も文学も、西洋の視点には「奥行き」があり、日本の視点は奥行きがないという指摘です。逆に、西洋の人は、平面的な日本の浮世絵に影響されたりもしているんですけどね。どちらにも良いところはあるんだと思いますがそれはまた別の話です。

藤丸が四つ葉のクローバーの押し花を持っているのがかわいかった。「これのおかげ?」と聞くトーンが「舞いあがれ!」のむっちゃんとはまったく別人。


※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)NHK

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