<六本木クラス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
>>>「六本木クラス」の画像をすべて見る料理対決番組の結果に納得のいかない長屋茂(香川照之)は、次の勝負の結果次第では長屋龍二(鈴鹿央士)に長屋を継がせないと告げる。すると龍二は、番組の件を全て自分に任せて欲しいと申し出る。何やら「二代目みやべ」に勝つ秘策があるようで…。
一方、料理対決番組の影響で、「二代目みやべ」の店内は満席、外には行列ができるほどの大賑わい! しかし、宮部新(竹内涼真)との一件をきっかけに麻宮葵(平手友梨奈)が休暇に入ってしまったうえに、さらに新たちは同時に「二代目みやべ」のフランチャイズ展開も進めていたため、てんやわんや。そんな中、フランチャイズのオーナー説明会のための準備を進めていると、突然、投資家たちから投資の話を白紙に戻したいと連絡が入る。新は、それを知ったフランチャイズのオーナーたちから「どうなるの!?」「責任取れ」などと詰め寄られ…! 実はこの裏には衝撃の事実が隠されていた! 「俺は…こんなことで潰れたりしない」――窮地に追い込まれた新が選んだ道とは!?
第10話のレビュー
投資を受けられることが決まり、二代目みやべのフランチャイズ化に向けて着々と準備が進んでいた。にもかかわらず、またもや長屋会長(香川照之)の策略により行手を阻まれる新(竹内涼真)たち……。もはや、このパターンが定型化しつつある。亡き父の復讐のため、どんな苦境も信念ひとつで乗り越えてきた新。今は葵(平手友梨奈)をはじめとする二代目みやべの仲間たちも支えてくれているが、普通だったらとっくに心が折れていてもおかしくない。
投資家である田辺(倍賞美津子)からのありがたい申し出にも「あの人(長屋会長)の知り合いの方に力を借りるというのは、ちょっと……」と断りを入れてしまう新。原作どおりの展開ではあるのだが、さすがにオイオイ! とツッコミを入れずにはいられなかった。
案の定、田辺からも「仲間がこんなに苦労してるっていうのにプライドばっかり高くて。自分さえ良ければいいのかい?」と叱咤されてしまう。
その後、葵とのやりとりを経て考えを柔軟に変えた新は、改めて田辺に投資を依頼する。ここに新自身の成長を感じた。
強い信念があるぶん、自分の考えをそう簡単には曲げない頑固さをも併せ持っている新。長所にも短所にもなり得る要素だ。実際、この頑なさが仲間の首を絞める現状につながっている。
改めて現実を見直したとき、もっとも優先すべき事項を見出すことができた新。何がなんでも復讐を遂げ、自分の目的を達成することよりも、協力してくれる仲間の気持ちを俯瞰して見ることができるようになった。周りにいる仲間が、そうさせた面もあるのかもしれない。
田辺が提示した条件は「料理番組で優勝すること」。それには、二代目みやべの料理長である綾瀬りく(さとうほなみ)の手腕が重要になってくるが……。
ここで、まさかの事態が起こる。
なんと、りくがトランスジェンダーであることがリークされる。両親にも事実を伝えていないりくにとって、これは紛れもない第三者によるアウティングだ。「三ツ星スタジアム」で長屋を優勝に導こうと、龍二(鈴鹿央士)が計画したことだったのである。
筆者も含め、世の鈴鹿央士ファンはさまざまな意味で心揺らされたのではないだろうか。あんなに純真に葵のことを思っていた龍二が、いや、彼女のことを思うからこその暴挙に出たのだ。
しかし、りくはそんなことでは潰れない。誰よりも勇敢で、ダイヤの原石のようにしなやかな人だ。周囲に支えられながら覚悟を決め、カメラの前でトランスジェンダーであることを自身の声で告白し「優勝します!」と宣言した姿は、凛とした美しさに満ちていた。
裏切り、非道な仕打ち、そして立ち向かう信念の強さーー最後に打ち勝つのは、後者であってほしい。
※この記事は「六本木クラス」の各話を1つにまとめたものです。
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