<六本木クラス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第11話ストーリー&レビュー
第11話のストーリー
>>>「六本木クラス」の画像をすべて見る麻宮葵(平手友梨奈)からの電話で背中を押された綾瀬りく(さとうほなみ)は逃げずに料理対決の決勝に臨むことを決意。この一件で宮部新(竹内涼真)たち「二代目みやべ」のメンバーはさらに結束を強める一方、長屋茂(香川照之)は結果に不満を抱くも、龍二(鈴鹿央士)が行ったことを評価し、また楠木優香(新木優子)から龍二が会長に似ているという言葉を受け、不敵な笑みを浮かべる。そして後日、茂は長屋の幹部会議であることを皆に告げる。
田辺弘子(倍賞美津子)のおかげで「二代目みやべ」の経営は安定し、全国展開も現実となり始めた頃、新は葵と桐野雄大(矢本悠馬)に次なる計画を伝える。そのとんでもない内容に葵と桐野は驚くが、新の本気を見せられ、新と共に心を決める。
第11話のレビュー
優香(新木優子)と龍二(鈴鹿央士)は、これまで筆者が見てきたなかでも最強に不憫なキャラクターの上位に入る。高校入学早々、絶対的権力を持つクラスのいじめっ子に歯向かい、存在感を見せつけた新(竹内涼真)に惚れられた優香。イケメン高身長な彼を早々に射止めた彼女は、従来の物語における”王道”を行くなら完璧にヒロイン枠である。牢屋(長屋)に閉じ込められた姫は、助けに来る王子を待つばかりだ。
しかし、まさか第二のヒロインが現れようとは。「新は私のことが好きなの」と啖呵を切ったのも束の間、牢屋であれこれと苦戦している間に、いつの間にか新のなかの優先順位は明らかに変わってしまったのである。
龍二についても、状況は似たようなものだ。
ニューヨークから転校してきた壮絶に可愛い葵(平手友梨奈)に恋をし、どれだけワガママに振り回されても役得とばかりに受け入れていた。彼女を追って因縁のある場所でバイトまで始めるほどの熱の入れようである(新と長屋にまつわる背景を知らなかったからだが)。
葵の「私を手に入れたくなったら長屋を継いで」を間に受け、ただ彼女を手に入れるためだけに、かつての仲間を完全に敵にまわすことまでした。その結果、彼の手に残ったものは何だったのか?
相手を思う気持ちは変わらないはずなのに、すべてが裏目に出て、空回りするばかり。不憫で仕方ない二大キャラクターである。
それぞれ、己の正義に則って行動しただけなのだが、それがまた切ない。求めれば求めるほど、新と葵は互いの価値とかけがえのなさに気づくのである。
今話のラストシーン。新と優香がバーで飲んでいる最中、彼女が口にした「好きって言ってよ」は、このドラマ史上もっとも切ないセリフに入るかもしれない。
新が社長のRCはフランチャイズ化を成功させ、ますます勢いをつけ、余命わずかな長屋会長(香川照之)率いる長屋にグングンと迫る勢いだ。新は公私ともにますます葵の魅力に惹かれることになる。それに伴い、優香と龍二の苦しみも増すことに……。
この循環を在るべき場所へ戻すのは、やはり新の下す決断にかかっているのかもしれない。果たして、彼は優香と葵、どちらを選ぶのか?
※この記事は「六本木クラス」の各話を1つにまとめたものです。
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