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2022年07月31日

<六本木クラス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<六本木クラス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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宮部新(竹内涼真)は麻宮葵(平手友梨奈)から「二代目みやべ」で働きたいという申し出を受けるが、ひと足先に働きたいと言ってきた長屋龍二(鈴鹿央士)を雇うことが決まっていたため、これ以上雇う余裕はないと断る。それでも食い下がる葵は、次々と「二代目みやべ」に必要な改善点を上げていき、社長=新の隣には戦略を立てる自分のような人物が必要だとアピール。そして、最後に葵がなぜ「二代目みやべ」で働きたいのか理由を聞いた新は、葵をマネージャーとして迎え入れることに決める。

葵と龍二が加わり新しい体制で再出発することになった新率いる「二代目みやべ」は、葵の指示のもと内装からメニューまで大幅なリニューアルに動き出す。そして、いよいよ迎えたリニューアルオープン初日――葵の宣伝効果もあり、ひっきりなしに客が訪れ、大盛況! 過去最高の売上を叩き出し、新や内山亮太(中尾明慶)、綾瀬りく(さとうほなみ)らが大喜びする一方、葵は何かが引っかかっているようで…。

同じ頃、長屋ホールディングスでは相川京子専務(稲森いずみ)一派の会社の持ち株比率が上っていることを知った長屋茂(香川照之)に、相川にも可愛がられている楠木優香(新木優子)は自分への忠誠を問われ、行動で示せと「二代目みやべ」のチラシを渡される……。

第4話のレビュー

新(竹内涼真)は信念を持って生きる男。彼の譲れないモットーのひとつに「ともに働く仲間に対する誠実さ」がある。

4話冒頭シーン。二代目みやべの新しい仲間として、葵(平手友梨奈)と龍二(鈴鹿央士)が加入した。

店長である新は、最初こそ葵の雇用に消極的だった。営業停止を食らい再スタートを切ったばかりの居酒屋にとって、人件費がかさむのは痛手である。しかし、葵の”飲食店をジャッジするセンス”、そして二代目みやべで働きたい理由として「勘」と答えた面白さを買い、仲間として迎え入れることを決めた。

葵と龍二は、おそらく初めて”心から信頼できる大人”に出会った。新に対して恩返しをしたい、この人に人生を賭けたいと思えたからこそ、スタッフとして手を挙げたのだ。

そんな若者に向き合い「ここで働きたい理由は?」と問う新。もちろん店の戦力になるかどうかも大切だけれど、第一に”働きたい理由”を優先する姿勢には、彼の誠実さが表れている。

その、愚直な誠実さは、別のシーンにも。

二代目みやべの料理長として働く綾瀬りく(さとうほなみ)が、実はトランスジェンダーだったことがわかった。葵、龍二、亮太(中尾明慶)がともに向かったクラブにて、たまたま”本来の姿”のりくに遭遇したのだ(このクラブシーン、実に原作に忠実に作られていて、とても良い。ぜひオリジナルの「梨泰院クラス」該当シーンも見てもらいたい)。

このことがきっかけで、店に迷惑をかけることを心配するりく。おまけに、マネージャーの葵からは料理へのダメ出しをこっぴどく受け「空気読んで、辞めたら?」とまで言われてしまう。

この騒動を受け、仲間たちが見守るなか、新とりくが向き合うシーンがある。

そっと給料袋を出し「これ、今月分の給料」と新。遠回しに辞めることを促されていると解釈したりくは「いままでありがとうございました」と告げ去ろうとする。しかし、新は言う。

「2ヶ月分、入れといた」

これからもより料理に精を出し、二代目みやべのために頑張ってほしい。渡された給料袋には、そんなメッセージが込められていたのだ。料理がまずい? 特訓すればいいじゃないか。トランスジェンダー? そんなの関係ない。真顔でそう言い切る彼は、誰よりも仲間を大切にする、誠実で熱いリーダーなのだ。

新を演じる竹内涼真のインタビューを紐解くと、自身が演じるキャラクターについてこのように称していた。「普通なら人の顔色をうかがってしまう場面でも、新は正直な自分を出す。だからこそ彼の周りには人が集まってくるのでは」。役に対して誠実に向き合う竹内のパーソナリティが、そのまま新に反映されているようにも思える。

今回の第4話では、優香(新木優子)にまつわる事実も明らかになった。

二代目みやべを営業停止にした”きっかけ”となる通報。それをしたのは、他の誰でもない優香だと自身も告白していた。しかし、それは誤解だったのだ。

ずっと「通報したのは自分」と言い続けていた優香。「だって、自分が一番大事だから」と口にする彼女もまた、自分に正直に生きているだけなのだろう。生きるのに必死な優香に対し、新もまた「精一杯生きているだけ」と受け入れる。

なぜ、彼女は嘘をついたのか?

新に対する気持ちや、長屋で働く自分に対する複雑さ。素直になりたい自分と、どうしようもない罪悪感。相反する感情のあいだで揺れ動く優香は、もしかしたら誰よりも新を必要としているのかもしれない。

最後の最後で、優香のキスを止める葵のシーン、ある意味爽快だった(片手で顔をわしづかむのは、いくら演技でも躊躇したのでは……)。

二代目みやべの行く末、新の長屋に対する復讐の顛末、そしてドロドロに乱れそうな恋愛模様。次回の展開にも注目したい。


※この記事は「六本木クラス」の各話を1つにまとめたものです。

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