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2022年07月31日

<六本木クラス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<六本木クラス>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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長屋茂(香川照之)が「二代目みやべ」にやってきた時の会話から、宮部新(竹内涼真)が長屋ホールディングスの株を買っていたことを知った麻宮葵(平手友梨奈)。しかも、新は長屋に先制パンチを食らわせると言い、何やら計画しているようだが、何も話してくれないことに苛立つ。

一方、新は桐野雄大(矢本悠馬)と長屋ホールディングスの専務・相川京子(稲森いずみ)と組んで株主総会での茂の会長解任を画策するが、それを実行するには茂の支持派と比べて相川専務派の持ち株比率がまだ足りないことが判明。そこで、新は茂の支持派の結束を崩すために、ある切り札を使うと言い出す。

そのために行動に出る新は、「二代目みやべ」の皆には用事があると告げ出かけていくが、葵はそんな新を追いかけ、強引について行くことに。その道中、新の過去に何があったか全部教えて欲しいという葵に、新は全てを話し出す。そうして2人が向かった先は、ある意外な人物の家で…!

その翌日、葵が「二代目みやべ」に出勤すると、新がビルのオーナーと何やら話している場面に出くわす。やがて、そのことが「二代目みやべ」を窮地に追い込むことに――!



第6話のレビュー

復讐劇、青春群像、恋愛模様。オリジナルの「梨泰院クラス」ならびに日本版リメイクである「六本木クラス」を称するときに、よく使われる言葉だ。筆者自身も、繰り返しそう表現してきた。

しかし、ある意味でこの物語は、奪われ・奪い返す物語でもあるのかもしれない。

新(竹内涼真)と手を組んだ長屋の相川専務(稲森いずみ)。ともに長屋の主導権を握るため、高額投資をする戦略をとってきた。

しかし、長屋の会長・長屋茂(香川照之)はその動きに勘付き、二代目みやべが入っているビルを丸ごと買い上げる暴挙に出る。新たちがビルの契約更新を望んだとしても「老朽化が進んだビルを使わせるわけにはいかない」の一点張りだ。

振り返ってみれば、長屋会長は、新から多くのものを奪ってきた。高校生活、父親の命、心血注いで立ち上げた店も、鶴の一声で奪われる。新は”中卒”で”前科者”と人生におけるハンデを背負わされ、何度も苦渋をなめさせられてきた。

そんな新は出所後、マグロ漁船に乗ったり工場で働いたりし、店を出す資金を貯める。夢だった第一号店をオープンさせ、着々と復讐する土台を整えてきた。それは20年がかりの復讐計画であり、父親の尊厳を回復させるためでもあった。

いわば、奪われてきた多くのものを、奪い返す算段が整い始めているのだ。

しかし、新は言う。「たかが退学、たかが退去。結局あなたは、僕から何ひとつ奪えていない」「僕が考える強さは、人がつくるものです。みんなの信頼が僕を強くする」と。

”奪われている”と思わなければ、奪われる者にはならない。

新は長屋会長に面と向かって「僕は奪われていない」と宣言した。奪い取り、弱らせていると勘違いしていたのは長屋のほう。

奪う者と奪われる者が、逆転した瞬間だった。

龍二(鈴鹿央士)が「新さんは強い人です」と口にしたように、信念と熱意で生きる新にとって、仲間からの信頼はさらなる強さの種となる。

現状、二代目みやべは長屋に敵わないかもしれない。しかし、相手が飲食産業のトップであっても物怖じせず対峙する新の人間力は、すでに長屋会長を上回っている。

果たして、最後に土下座をするのは、どちらなのか?

今回、長屋と新のあいだに色濃く残る因縁について知った龍二は、葵(平手友梨奈)からの促しもあり店を辞めることを決意する。

葵自身、新の過去を彼自身の口から聞いたことで、より愛情を深める場面もあった。だからこそ、新を苦しめる存在は”潰したい”。「長屋を継いでくれれば、あなたのことを好きになるかも」とも取れるような発言をし、龍二を退職へと誘導する流れには小悪魔さを通り越した小賢しさを感じた。

新もそれを感じたからこそ、葵に対し「マネージャー失格だ」と告げたのだろう。新のためを思った行動が裏目に出ている葵、今後どのように盛り返していくのか。


※この記事は「六本木クラス」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)テレビ朝日

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