<舞いあがれ!・起業編>22週目~最終週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第122回のレビュー
最終週「私たちの翼」(演出:田中正)入った「舞いあがれ!」。2020年1月、貴司(赤楚衛二)をパリに送った舞(福原遥)は空飛ぶクルマにますますのめり込んでいきます。こんねくとはABIKILUと正式に業務提携しました。
試作品・アビキュラ2号を作りはじめた刈谷(高杉真宙)の、数字に強い人がほしいという希望に、舞は、五島で知り合った朝陽(渡邉蒼)を呼びます。目下、大阪の大学生で、惑星探査ドローンの勉強をしていて好都合。
成長した朝陽はいまもなお、星柄の服を着ています。好きなものは変わってない様子。伏し目がちで人と目を合わせず、ぶつぶつ独り言のようなことをしゃべり、一点に集中する朝陽を、刈谷たちも異様な目で見ず、すんなり受け入れます。こういうところにホッとします。まあでも朝陽が優秀そうだからでしょうけれど。たとえなんにもできなくてもこうでありたい。
その頃、貴司はパリは八木(又吉直樹)のアパルトマンに到着、恩師に悩みを吐露します。
自分では不本意なものが多くの人から褒められることや、幸せだと創作できないんじゃないかと迷う貴司。つまり、幸せから生まれた短歌が自分らしくないと思っているのでしょう。
八木は自身の体験も交え助言します。彼もまたかつて、孤独を埋めてくれた人のために詩を書くようになった変化を体験していました。
八木は亡くなった恋人の面影を探しながら詩を作っていたのです。
実際、そういう恋人がいたのかもしれませんし、八木の絶対に変わらない本質の象徴かもしれません。
呼ばれたから行くわ
(八木)
八木はデラシネを去ったときと同じ言葉を残し、部屋を貴司に明け渡します。
八木のパートはファンタジー。貴司の幻影のような存在です。メーテル的な(嘘)。
誰の声が聞こえる?
(八木)
そう問いかけて去った八木。貴司に聞こえる声は、舞の声なのでしょう。
舞を励ますために作った短歌はいい短歌でした。
自分がいなくても舞はばりばりやっていて、彼女を短歌で励ます必要がなくなったから自信が持てなくなったということと理解するのが最もわかりやすい気がします。愛だな〜。
八木のカップは欠けていて、清貧生活を送っていたようですが、このひとは他者の評価に揺らがず、自分の心に忠実に生きている。こうありたいものです。
恒例、小姑トークとしては、パリのアパルトマンにしては玄関ドアの高さが低くないか? ということです。それだけ天井を低く作った安いアパートという意味合いなのかもしれませんが。
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※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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