<ブギウギ ・東京編>6週~10週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第28回のレビュー
顔合わせの翌日、「ラッパと娘」のレッスンがはじまりました。これまでと雰囲気が違う楽曲なので、戸惑いを隠せないスズ子(趣里)ですが、羽鳥(草彅剛)は好きに歌えばいいとさらりと言います。
羽鳥は、前日聞いたスズ子の声に合わせて曲を変えたそうで、自分の枠にはめるのではなく、歌う人の魅力を存分に発揮する歌を目指していることは一目瞭然です。
でも、違う、違う、違う、と何度もやり直し。
「福来くんが楽しく歌えばそれでいい」「バドジズしてない」などと抽象的なことしか羽鳥は言いません。
違う、違う、とだけ言い続ける演出家、演劇にもいます。
具体的なことを言ってあげないと、と辛島(安井順平)は心配しますが、松永(新納慎也)は、羽鳥のやり方を理解している様子。さすが演出家です。
具体的なことを言っちゃうと、それに当てはめてしまうから。しっくり来る、という言葉がありますが、無理せず、不自然でなく、腑に落ちている表現を、自分でみつけないといけないのです。
出だしだけ、500回くらいやって、声が出なくなったスズ子に、茨田りつ子(菊地凛子)は根をあげなかったと軽く挑発する羽鳥。何を言ってもにこにこしているので、角が立ちません。むすっとして、違う、違う、と言い続けないだけ、羽鳥のレッスンはマシだと思います。
趣里さんは、音程はしっかり守る優等生ながら、曲のノリにまったくついていけない様子を見事に演じています。
一方、秋山(伊原六花)も、男性に混じってのレッスンで、体力の限界を感じていました。
そして、トップダンサー・中山史郎(小栗基裕)のダンスに憧れます。
実際、男役を演じる俳優は、実際の男性のなかから理想を見出し、表現に取り入れようとするそうですので、秋山の感覚にはリアリティがあります。
スズ子、秋山、初日からダメージを食らうふたりに、松永がチョコレートを差し出します。
「林さんの生き血より効きそうやわ」と秋山。
林部長(橋本じゅん)の素朴な泥臭いムードと松永のスマートさ。これが大阪と東京、梅丸少女歌劇団と梅丸楽劇団の差でしょうか。
甘いチョコレートをかじるスズ子。この甘さに「甘いメロディ ラララ〜♪」が理解できるといいのですが。
東京のレベルに自分たちが通用しないかもと悩みながらも、恋バナにも興味をもつのが、お年頃。
下宿のチズ(ふせえり)と吾郎(隈本晃俊)の馴れ初めをべらべら聞かされて、キスに興味津々のスズ子と秋山。
スズ子と秋山が、恋の経験のあるなしを探り合う場面のノリが楽しかった。
こういう楽しさが、きっとバドジズなのではないでしょうか。
それにしても、趣里さんと伊原さんの眼の大きさが違う。伊原さんの眼が大き過ぎる。
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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