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2021年11月04日

<相棒 season20>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<相棒 season20>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第10話レビュー



杉下右京(水谷豊)は紅茶をこよなく愛する男。10話は紅茶好きな彼の姿をめいっぱい楽しめる回だった。

角田課長(山西惇)の依頼で張り込みをすることになった右京と冠城(反町隆史)。ターゲットの詐欺グループは50人近くメンバーがいるものの、リーダーの顔を誰も見たことがないという。

詐欺グループがお金を隠したと思われる倉庫の前にやってきた右京たち。向かいの喫茶店に入った右京は店に並ぶ上質な紅茶に目を輝かせる。聞けば、主人の真鍋(酒井敏也)は紅茶が大好きだという。右京はお店にやってきた常連の大杉瑞枝(麻丘めぐみ)をいそいそと接客。冠城ともども張り込みとともに店の手伝いをすることになった。

高価な茶葉を仕入れてきたり、自身がブレンドした紅茶を試飲してくれと真鍋に渡したりと、今回の右京は本当に楽しそうだ。瑞枝ともイギリス談義などに花を咲かせる。夫は長野の別荘にいると話す瑞枝。「夫は寂しがりやだから、近々私もあっちに行こうと思ってる」と語ったのがちょっと意味深に感じられる。

そんな中、詐欺グループのメンバーらしき男女がお店に現れる。彼らのDNA採取する右京たち。しかし、店を出た二人を尾行しようとした冠城は「コーヒーに髪の毛が入っていた」と別の客に捕まってしまう。真剣に張り込みをしている右京と冠城がそんな落ち度あることをするだろうか? ここもなんとも引っかかった。

DNA採取した結果、店に来た男女はそれぞれ鷲尾琢磨と赤堀絵里という人物だと特定。しかし、その後鷲尾はビルの非常階段から転落死。そして、現場周辺の防犯カメラ映像を追った冠城は、二人を尾行する瑞枝の姿を発見した。

橋から飛び降りようとする瑞枝を間一髪で止める右京と冠城。「近々あっちに行く」はやはりそういう意味だった。実は瑞枝の夫は老後の資金を鷲尾にだまし取られ、それを苦に自殺していたのだ。生きる望みを失っていた瑞枝は、鷲尾が例の倉庫に入るのを目撃。以来、喫茶店から倉庫を見張りつつ復讐のチャンスを狙い、あの日店に来た二人の後をつけ、非常階段に座る鷲尾の背中を押したという。

犯行を認めて取り調べを受ける瑞枝。しかし、右京は釈然としない。鷲尾の遺体は転落したわりには出血量が少ないのだ。しかも解剖で体内から毒物が検出される。おそらくこれを飲ませたのは絵里。しかし、程なくして彼女もまた遺体となって見つかる。

右京と冠城はこれまでの経緯を振り返る。張り込みを始めたら鷲尾と絵里がお店に来た。しかし、冠城が後を追おうとしたら邪魔をされ、一方瑞枝は鷲尾を突き落とすことができた。そして、瑞枝が真犯人ではない可能性が出てきたタイミングで絵里が死亡。「何もかも都合よすぎますね」と気づいた特命係はようやく真実に辿り着いた。

喫茶店を訪れて真鍋と対峙する右京たち。彼こそが詐欺グループのリーダーであり事件の黒幕。鷲尾たちをお店に向かわせ、鷲尾に毒を飲ませるよう絵里に命じ、そして絵里を殺した真犯人だった。

実は右京は最初から真鍋に違和感を覚えていた。紅茶について的外れなことを言い、右京が仕入れた希少価値の高い茶葉に何の反応も示さなかったからだ(瑞枝はすぐに気がついた)。紅茶好きでもなんでもなく、お金の保管場所である倉庫を喫茶店から監視していた真鍋。被害者の家族である瑞枝がお店の常連となり、さらに右京たちが張り込みに来たことから一連の犯行を企てた。彼は絵里に毒を飲ませる際に右京がブレンドした紅茶を使っており、それが動かぬ証拠となった。

紅茶を好む右京の趣向が物語に彩りを添えた今回。非常に「相棒」らしい回だったと思う。事件解決後、カフェで瑞枝に紅茶をご馳走して「僕とお茶飲み友だちに」と誘うラストも、そこはかとなくエレガントな余韻が残った。

瑞枝が「パーフェクト!」と褒めていた右京の紅茶。もしも本当に彼が入れてくれる喫茶店があったら、ぜひ行ってみたい。

※この記事は「相棒 season20」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)テレビ朝日

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