<らんまん・高知編>1週~5週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第5回のレビュー
ヒサ(広末涼子)の容態が悪化しました。ヒサが神様に願って、自分が生まれたことを聞いている万太郎(子役:森優理斗)は神様を頼ります。
ヒサの好きな花を探しますが、季節は冬、花はみつからず、万太郎は結界を超えて森の奥深くに分け入ります。
天候も悪くなって、暗い森のなかで崖下に落ちてしまった万太郎でしたが、探しに来た綾(子役:太田結乃)と竹雄(子役:井上涼太)に助けられました。
綾は自分が女でなければ当主となって酒蔵のために働けるのに、頼りない万太郎に期待がかけられていることを悔しく思っていたけれど、万太郎の個性が当主に向いているのだと気づきます。
ひじょうに駆け足で綾と万太郎の差異を描いているように感じますが、綾が酒蔵の当主になれないのは男女差別ではなく、個性の問題なのだということを落とし所とするのが令和的です。それにしても綾が聡明すぎる。
万太郎が花を探している間に、ヒサの容態はますます悪化、危なく、臨終に立ち会えなくなりそうで、タキ(松坂慶子)がヒスを起こします。
「見つけえ〜〜〜」
「このうえ子どもらまで 許さんき 絶対許さん」
と大絶叫したところへ、万太郎が綾と竹雄に付き添われて戻ってきました。
やっとみつけた一輪の花をヒサに差し出す万太郎。が、それはバイカオウレンではないことに気づきます。森では暗くてわからなかったんですね。
母の命が尽きようとしているとき、「違う」と冷静に、花の違いを指摘する万太郎。花が違う嘆きと、母の好きな花を渡せなかったことへの悔しさや申し訳なさと、母の別れを惜しむことがまぜこぜになっている、彼の今後を暗示する描写です。
ヒサは亡くなり、春になって、花が咲くと、万太郎は自分のやりたいことを自覚するのです。
花が印象的なドラマですが、本物ではなく精巧に作られたものだそうです。言われてみればちょっと硬そうな感じもします。でもほんとうによくできています。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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