<らんまん・高知編>1週~5週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第14回のレビュー
万太郎(神木隆之介)は東京行き最大の目標・博物館を訪れます。「心の友」と考えている博物図を書いた人に会いたい一心で、興味のない酒の品評会に出て飲めない酒を飲んで酔っ払って……と醜態をさらしましたが、ついに憧れの場所へーー。
中ではたくさんの人(男性ばかり)が植物標本を作成しています。
すると、髪ぼっさぼさで身なりに構わない先生(田辺誠一)が仮眠から目覚めてきました。
風変わりな人物にもひるまず、万太郎が植物に関する質問をすると、先生はどんどん話してくれて、顕微鏡で植物の構造を拡大して見せてくれ、「植物分類学」という学問があることを万太郎は知ります。
日本ではまだ植物の名前をつけた人はいません。万太郎はこのことにもときめきを覚えているように感じます。英語で論文を書いて名前が世界的に認められば可能であるということで、万太郎は語学力も高いですから、可能性がありますね。
先生「この植物をみつけて発見した人が永久に残される」
万太郎「永久に」
「永久」はこのドラマではキーになっているようにも思います。万太郎も絵を書くことで植物が枯れても残そうとしていました。先生と万太郎の気持ちは似ています。
いろいろ話しているうちに、この先生が、「心の友」と万太郎が思っていた野田基善であることがわかりました。
感動したのは万太郎だけではありません。野田も自分がはじめて手掛けた図に刺激を受けた少年がいることに「こんなにうれしいことはない」と感涙し、ふたりはひしと抱き合います。
「友よ!」「友じゃ!」
満たされる万太郎の姿にとてもわくわくし感動する場面ですが、それを寂しそうな目で見ている人物が……。
竹雄(志尊淳)です。お留守番の犬のようです。懸命にお仕えしている万太郎が遠くへ行ってしまう気がするのでしょう。
万太郎は、竹雄が好きなものでも食べようと言うけれど、第13回ではカルメ焼きをひとりで食べているなど、植物には公平な心を持っているわりに、主従関係を当たり前に感じて行動していますから。
草のことは「遊び」だと言ってくださいと懇願する竹雄はまるで、浮気ならいいけど本気にならないでという本妻のようにも見えました。
竹雄のことはほったらかしだし、里中芳生(いとうせいこう)とは「心の友〜」と喜ばないし抱き合わない万太郎。どうやら、龍馬(ディーン・フジオカ)、蘭光(寺脇康文)、野田とちょっとワイルドな(髪がボサボサなだけともいう)イケオジが好みなのではないでしょうか。自分が体の弱いお坊ちゃんなので憧れるのかも。
龍馬、蘭光、野田。万太郎が慕う3人は見た目や振る舞いがなんとなく似ていますが、登場パターンも同じです。突如目の前に現れ万太郎を勢いよく巻き込み、あとから誰かわかる(龍馬は天狗のままで、龍馬であることはわからないままですが)。
植物で言うと、同じ種類(科)でも属で細分化されるという感じでしょうか。例えばーー
国際科 政治属(革命部門) 龍馬
国際科 学問属(教育部門) 蘭光
国際科 学問属(植物部門) 野田
こんな感じ?
今までの日本は攘夷で騒いでいたから植物学を勉強する余裕がなかったと野田。龍馬→蘭光→野田 が思いを引き継いでいるようです。龍馬と蘭光は野性味が強く、野田はやや文化系のソフトなバンカラという印象で、時代の変化による人類の進化の過程という感じもします。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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