<らんまん・高知編>1週~5週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第12回のレビュー
町一番の秀才だからと、小学校の校長先生に教師にならないかと打診された万太郎(神木隆之介)ですが、東京に心の友に会いに(会いに会いに♪と歌う主題歌が思い浮かびます)行くから忙しいとあっさり断ります。峰屋の人たちは、当主は頭がいいももの、昼行灯のようであることをひどく心配していたので、学校の先生になってくれることを願いましたが、万太郎の態度にがっかり。
万太郎はいちいち、周囲の期待に応えない人のようです。それだけ規格外なのでしょう。咲く場所が違うっていうやつですね。
峰屋の酒・峰乃月を東京の博覧会に出すことになり、万太郎はそれに乗っかって東京に行こうと目論んでいます。酒の仕事を何もしてないにもかかわらず東京にだけは行こうとするちゃっかりさんです。
綾(佐久間由衣)は綾で、縁談がありましたが、博覧会に酒を出品することを考えたら見合いをしている場合ではないとやっぱり断ってしまいます。そして、なんと新しい酒を開発します。
幸吉(笠松将)に手伝ってもらって作ったものの、タキ(松坂慶子)に相手にされません。ものすごい剣幕で叱られました。
しゅんとなったものの、いいこともあって。
綾は幸吉と酒作りを一緒に行ったことで心が通いあっていきます。
幸吉は昔拾った綾のかんざしを大切に持っていました。これをいいふうに感じる場合と気持ち悪いと感じる場合があり、要注意と思いますが、綾と幸吉の場合は信頼関係がすでに構築されてきていたため、いい結果になったようです。
でも綾と幸吉の関わりを竹雄(志尊淳)が切ないまばざしで見ています。
竹雄は心のうちにあるものを押し込めているようです。
万太郎はお気楽で、植物を細かく観察しますが、人間の心には疎い。その部分は、綾と竹雄が担っています。
万太郎は周囲の人の無理解に負けず自分の好きなことをやっています。
綾は女性は「片付いた」(結婚する意味)ほうがいいと思いながらそれができない。「自分のことばっかり。醜いよ」と謙虚です。万太郎にはない感覚を綾は持っています。
竹雄はふたりの話しを聞くだけで、自分のことは言いません。その代わり、綾の背中を見ながら、はあと息を手で塞ぎ、笑顔を作って追いかけたり、水垢離をはじめたりしています。
自由奔放な万太郎
自由は自分勝手だと思いこむ綾
自由以前の竹雄
三者三様です
みんなそれぞれ悩んでいますが、竹雄は、使用人として、綾や万太郎のお世話をする仕事をしているので、自分の思いを誰かに言うことすらはばかられ、いつも笑顔で理解力のある人物でいないといけない。それがだんだん辛くなっていく竹雄を応援したくなります。
「暑いがです」と無心に水垢離する竹雄。なぜカラダがこんなに火照るのか、はっきり言葉にできないもどかしさ。
ただ、いざ、万太郎と東京に行くことになると、竹雄も楽しそうで、ちょっとホッとしました。万太郎と竹雄の珍道中を見たい。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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