続・朝ドライフ

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2022年05月27日

<ちむどんどん・沖縄編>1回~25回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ちむどんどん・沖縄編>1回~25回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第11回:黒島結菜の走りにちむどんどんする!

「ちむどんどん」第3週「悩めるサーターアンダギー」は沖縄の日本返還を1年後に控えた1971年(昭和46年)、高校3年生になった比嘉暢子(黒島結菜)の走りからはじまりました。

男の子を負かしてしまうほどの健脚ぶりを発揮する黒島結菜さんは主演ドラマ「アシガール」(17年)で陸上部のエース設定で、戦国時代にタイプスリップしてその俊足を生かして足軽となって大好きな殿のために活躍する役を演じたことがあります。そのときも泥だらけになりながら野を走る姿が生き生きしていて眩しかったこと、目に焼き付いています。

黒島さんは、例えば腹筋50回するとしたら、ちょっとがんばって10回プラスするように、自分のベストタイムを1秒縮めようとするように、力を絞り出すような演技をする俳優で、その頑張った分が観る者の心を強く揺さぶります。

朝ドラの基本方法論は、演出に凝らずに俳優からにじみ出るものを第一にすることなので(演出スタッフに聞くとたいていそういう言葉が返ってきます)、黒島さんのようにエネルギーを振り絞る俳優は、そこに涙や汗を感じるので、最適なのではないでしょうか。

けんかっぱやくて、怠け癖のある、おにいちゃん役・賢秀役の竜星涼さんも、自分に負荷をかけて芝居するタイプの俳優です。お調子者キャラを、どこか清潔感を残して演じることのできるのは、汗をかくほど全力で演技しているからと感じます。そうでないと「マグネット・オーロラ スーパーバンド 一番星」を大人になってからも装着し続けてなんとか見られるようにはできないでしょう。成立させているのがすごい。亡きお父さん賢三(大森南朋)に買ってもらった形見と思ってずっと付け続けているのではないかという素敵な物語を想像できるのは竜星さんの力だと思います。

賢秀は仕事をしても長続きせず、家でだらだらして、時々警察のお世話になっています。けんかをするのは持ち前の正義感からなので憎めない彼を家族は懐深く受け止めていましたが、あるとき、彼のしたことが暢子の大事な就職に悪い影響を及ぼしてしまい……。

朝ドラ名物、困った身内。お調子者だけど、その後ろに涙や汗を感じる賢秀に期待です。

優子は川口春奈さん、歌子は上白石萌歌さんになり、比嘉4兄妹は華やかです。


※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。

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