<ちむどんどん・沖縄編>1回~25回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第20回:北部産業まつりに主要登場人物たちが集う
汁がこぼれてしまったため、急遽、やんばるナポリタンに作り変えた暢子(黒島結菜)。美味しくできて大好評。暢子は賢秀(竜星涼)も顔負けなほどノリのいい口上でお客さんを呼びました。
肉をじゅうじゅう焼いてつくるやんばるナポリタン、美味しそうで、気持ちが盛り上がってきた〜〜と思ったら、次々と気分が下がることが起こります。
智(前田公輝)はフライドポテトを考案したけれど、給料をあげてもらえず、悔しかったら自分の店を持てと言われます。サンセットバーガーのマスター(川田広樹)もいい人に見えて意外とそうでもない、被雇用者からむしりとるタイプの打倒すべき雇用者でした。
良子(川口春奈)は石川博夫(山田裕貴)から、里美(松田るか)が言ったことは嘘だったことを明かされます。人間はあそこまで堂々と嘘をついてライバルを蹴落とすのだと思うとほんとうに用心しないとなりません。それにしても博夫の態度が煮えきれなくてちょっといらいらしてきました。
賢秀は喜納金吾(渡辺大知)からドルを倍の円に両替してくれる話は詐欺であると聞き焦ります。
ヤング大会の会場には希望と欲望と悪意が入り混じって混沌となり、歌子(上白石萌歌)と下地先生(片桐はいり)の追いかけっこが、その混沌をさらにかき混ぜているように見えないこともありません。
そしてヤング大会の結果発表。暢子の山原高校が優勝。屋良ひとみ(池間夏海)ともガッチリ握手。
暢子が挨拶することになります。感極まって、東京に行って料理人になりたい、とやりたいことを見つけ、大勢の人たちの前で公言します。
あたたかい拍手に包まれましたが、観ているほうとしては、賢秀の詐欺問題が気になってそれどころでは
なく……。就職試験を受けた会社の人たちも見に来ていて暢子に好感触で、大会に出た意義があったわけですが、それをまた無にしてしまうことはまあ仕方ないとしても、どうしても詐欺問題がチラついて暢子の物語に集中できなくて……。
「あさイチ」では広末涼子さんが暢子に感動して「泣いた」と言っていて、見方もいろいろです。なかには、良子と石川の関係に興味がいった人もいるでしょうし、歌子が早く歌う決心をしたらいいのにと思う人もいるかもしれません。同じドラマを観て、まったく違うところに注目できるように工夫しているのを感じるドラマです。
やんばるナポリタンのあと智の悔しい経験を挿入して水を差し、さらに詐欺問題で暗雲たちこめたようにしつつ、その一方で暢子が未来の夢に胸いっぱいになっている。こういうときよく使うのが「禍福は糾える縄の如し」という言葉です。まさにそのとおりで、世界はこんなふうに、いいことと悪いことが常に絡み合いながら進行しているものだということを比嘉家の4人きょうだいから描き出したいのかもしれません。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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