<ちむどんどん・沖縄編>1回~25回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第5回:賢三の歌が沁みる
豚のアババを犠牲にしてまで青柳父子(戸次重幸、田中奏生)をご馳走でもてなした比嘉家。
今度は、青柳家がお返しに那覇のレストランでごちそうします。8人分とは史彦(戸次)かなりの出費だと思うけれど、賢秀(浅川大治)のかわいがっていた豚一頭つぶしてもらったことには代えられないでしょう。
靴をはいている青柳家に対して全員ビーサンの比嘉家は、洋食のテーブルマナーも知りません。
でも青柳父子に教わって、滞りなく楽しく食事ができます。
こういう場合、ビーサンやテーブルマナーを知らないことから比嘉家が悲しい目に遭うエピソードを描くドラマもあるでしょう。でも「ちむどんどん」にはそれはなく、暢子たちは、あさりのスープ、海の幸のサラダ、ハンバーグ……に舌鼓を打ち、デザートのプリンにまでたどりつきました。
暢子(稲垣来泉)は「おいしいものノート」に記しながら食事し、料理長をかっこいいと憧れの目で見ます。
優子(仲間由紀恵)はじつは食堂の娘だったと意外な話を明かします。
おいしいものを食べると、人にいろんな感情が湧き上がらせるものなんですね。
帰宅後、家で食べる沖縄料理も「みんなで食べるからおいしいわけよ」と、じつに素敵な心がけの暢子。
あれがほしいこれがほしいと、時々はわがままも出ますが、基本的に比嘉家は貧しいながらしつけができていて、とても仲のいい、幸せな家族です。
この幸せがいつまでも続きますように。
島豆腐を売っている砂川智(宮下柚百)のお母さん・玉代(藤田美歌子)はしばらく病気で休んでいましたが元気になって仕事に復帰。
暢子はついにジャンプして、木になっているシークワーサーの実をとることができました。
いいことが続くかと思ったら、にわかに風向きが怪しくなってきて……。
第1回ではとれなかったシークワーサー、父・賢三(大森南朋)にとってもらった実を、第5回で暢子がひとりでとれたのは、成長の暗示であると同時に、父を乗り越えよという暗示でもあったのでしょうか。
ある日、学校の校庭にいた比嘉きょうだいは急遽、家に呼び戻され……。
第1回、きょうだいで楽しく転がるように走った道を、第5回では不安な気持でひた走ります。
第1回ではうしろから、父母に見守られていましたが、第5回はきょうだいだけ……。
賢三、倒れる。
借金を抱え、けっこう無理していたようで。でも全然そんなふうに見えなかったのに。
フラグがあったとすれば、初回からメッセージ性が強すぎたということでしょうか。これほど、賢三が毎回メッセージを語るのは、子どもたちにいま、伝えておかないといけないことがあったのかなあと思ってしまいます。
第5回は「おいしいものを大好きな人と食べると誰でも笑顔になるからなあ」と言ったり、
「子供は不思議だな。なんでもしてやりたいのに。肝心なことは何もしてやれない」とつぶやいたり、「親からの教えは心に染めて歩め」「親からの教えは数えることができない」と三線を弾いて歌ったりしていた賢三はどうなるのか(空の星は数えることができるが「親からの教えは数えることができない」という言葉は親の教えの大切さを痛感する言葉ですね)。
「ちむどんどん」放送後、「あさイチ」にゲスト出演した大森南朋さんは、この心配な展開をぼかしていました。
さて。最近の朝ドラは土曜日の振り返り回に次週予告がありましたが、「ちむどんどん」は金曜日に次週予告がつきました。これはいい変更だと思います。
まだしばし、子どもたちを観ていたいけれど、第2週には本役の黒島結菜さんが登場するようです。
ちむどんどんする〜〜。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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