<虎に翼・新潟編 >15週~19週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第75回のレビュー
寅子(伊藤沙莉)が新潟に転勤をきっかけに生まれ変わろうとしています。
地方にいって生まれ変わるという考えは、大河ドラマ「光る君へ」のまひろ(吉高由里子)も越前に行くときそんなようなことを言っていました。越後と越前、奇しくもどちらも日本海側です。
いつの間にか偉そうになってしまったことを反省した寅子は、彼女を密着取材していた竹中(高橋努)に、子供たちの正直な寅子への評価を綴った文章を渡します。
この間、家族会議で出たような感想で、約束を守らない、忘れっぽい、理想を押し付けてくる、仕事の自慢ばかり、朝からお酒くさい、とか書いてあります。
竹中は「あんたの家族がうさんくさいのはわかってた」と言いつつ、なんだか戸惑ったふう。
寅子は、自分のだめなところをはっきりさせたうえで、新潟で土台を積み重ねると宣言し、「信頼とか経験とか絆とか」そういうのを得たときに記事を書いたらおもしろいものになるだろうと言います。
「信頼とか経験とか絆とか」も、大概うさんくさくないかと視ながら思っていたら、竹中が「あー」と大声を出して、思考を断ち切られました。
そして、「早目に頼むぜ、こっちのお迎えがくるまえにさ」と笑う竹中。
つまり、取材は、寅子の新潟行きに伴って中断ということでしょうか。ん? 子どもたちの正直な評価を記事に付け加えてほしいというお願いだったのではないのか。それとも、今回の記事のほかに、またゆくゆく生まれ変わったときの記事も書くという話になったのか。
いずれにしても、竹中には、いつか寅子が人間的に立派になってすごい仕事を成し遂げたときに、老記者としていい記事を書くことを期待します。
寅子が東京から新潟に行くに当たり、みんなとお別れします。
家庭裁判所の壮行会は、多岐川(滝藤賢一)の自宅で行われ、会の前に香淑こと香子(ハ・ヨンス)とゆっくり語ります。香子は日本人になったので過去の自分を知ってる者とは会いたくても会わないと固い決意をしています。
壮行会も、香子は外出していることになっていて、同級生の小橋(名村辰)や稲垣(松川尚瑠輝)は香子があの香淑だと気づかないまま、噂の香子に会えないことを残念がります。
寅子とだけは、たまたまだけど再会し、寅子とだけは会って本音を話す。ここは寅子の物語の主人公らしさです。
1952年といえば朝鮮戦争中で、日本は軍需景気で潤っていたとか。香子はどう思って生きているのでしょうか。
そして、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)と梅子(平岩紙)とも、いったんお別れ。
寅子はよねに、試験をもう1度受けてみないかと助言します。よねは戦後のごたごたで弁護士の試験を諦めていたようです。相変わらず反抗的なよねに、「弁護士になったよねさんにしか救えない人がたくさんいる」と寅子。この彼女の言葉がよねに響いたような気もします。よねに一歩踏み出してほしい。
来週から新潟編! 新潟で母子ふたりになった優未(竹澤咲子)がスンッとしてしまっていて心配です。寅子の料理、おいしいのかな。花江(森田望智)の料理が恋しくないかな。寅子もはる(石田ゆり子)の甘口の味を継いでいるのでしょうか。
※この記事は「虎に翼」の各話を1つにまとめたものです。
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