<らんまん・結婚編>11週~15週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第59回のレビュー
鹿威しがカン!となって、タキ(松坂慶子)と寿恵子(浜辺美波)の百人一首勝負がはじまります。読み手は万太郎(神木隆之介)。元気そうに見えて、いざ勝負となると、調子が悪くなってきます。
万太郎は、これまで部屋に花を絶やさなかったことに気づいていました。さすがの注意深さです。花好きでもあるからでしょうか。
タキの「切り花は枯れる」も含蓄あります。野に咲いてる花は、種をつけ、次の命に繋いでいますが、たしかに切って活けてしまうと、その先はありません。ドライフラワーという永遠に残す手もありますが。
そんなタキに、寿恵子は、時々、札をとることを譲ります。タキはその武士の情けに感じいり、万太郎の嫁として認めるのです。
タキは、「お寿恵さん、かわいらしゅうて元気ようてひたむきで」と寿恵子の魅力を端的に語ります。
「末永う、お頼もうします」とタキから託されて、寿恵子が槙野家の嫁を継ぐのです。
晴れて寿恵子が万太郎の嫁と認められ、峰屋の広間で宴会が行われます。いや、甑倒しの行事の宴会に、寿恵子の歓迎会がプラスされたのです。
その夜、ひとり庭先に佇む綾(佐久間由衣)の元へ竹雄(志尊淳)が。
「切り花は枯れる」には死のイメージもあります。
タキがもう長くないと考えて、この先、ひとりでどうしようと悩んでいる綾を竹雄が励まします。
そして、峰屋の従者ではなく、ひとりの井上竹雄として、「あなたをひとりっきりにはせん」告白。
今回の帰郷で、告白しようと思ってビシッとスーツを着てきたのかもしれません。
「草花が好き過ぎる」「酒が好き過ぎすぎる」「槙野姉弟が好き過ぎる」とちょっと令和的なおもしろい言い方をしたあとに、「あなたのことが好きなただの男じゃ」とここだけ「好き過ぎる」ではなく「好き」を使うことで、想いの本気度が伝わります。
長田脚本は明治時代を丁寧に描きながら、時々、令和の現代口調が混ざるのが魅力です。
志尊淳さんは、顔立ちが甘いですが、演技の端々に、骨のある、強さ、たくましさを感じます。内なるゴツゴツしたものに柔らかいベールをかぶっている、そこが不思議な魅力です。
万太郎を寿恵子が、
綾を竹雄が、
支えることになるのです。
綾は、広間に戻って、「酒〜 峰乃月 もってこいや〜」と威勢よく声をあげて、寿恵子と酒を酌み交わしますが、この「もってこいや〜」が
全然、腹から声が出てなくて、無理している感ありました。が、綾は男勝りなわけではなく、ただ酒が好きな女性なのだと思えて、それはそれで個性なのです。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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