<ちむどんどん・東京編>26回~50回の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第43回:おでんは前途多難、ニーニーはまた金の無心
こんななじみのないものじゃなくて もっとありきたりなホッと心が安らぐ しみるような味のおでんを…。(和彦)
新しくて個性的なおでんにしないとうちがここに来た意味ないさ(暢子)
もっと地味で新鮮味はなくても 大切なことがきっとあるはずだよ。 そういう料理を暢子は志すべきだよ(和彦)
うちは料理のプロとして結果を出さないといけないわけ。詳しくないならえらそうに言わないでよ(暢子)
逸る暢子(黒島結菜)を諭す和彦(宮沢氷魚)。暢子のことを思って助言している和彦ですが、自分の腕に自信があり、自分が任された以上、新しいことをしないといけないと思い込んでいる暢子はムッとしてしまい、険悪になります。
このせりふの「おでん」を「朝ドラ」に置き換えてみましょう。
「こんななじみのないものじゃなくて もっとありきたりなホッと心が安らぐ しみるような味の朝ドラを…」
「新しくて個性的な朝ドラにしないとうちがここに来た意味ないさ」
「うちは朝ドラのプロとして結果を出さないといけないわけ。詳しくないならえらそうに言わないでよ」
どうですか、しっくりしませんか。
「ちむどんどん」とは暢子のつくる先走った味で、昔ながらのおでんを求める層には違和感なのではないでしょうか。
今日もまた、ニーニーこと賢秀(竜星涼)が優子(仲間由紀恵)に借金を頼んでいました。「いいかげんにして!」「どれだけお母ちゃんを悲しませたら気が済むわけ」と叱る良子(川口春奈)も離婚を決意し子供を連れて実家に戻ってきています。
家に電話を引くことができた働き者の歌子(上白石萌歌)ですが病弱なまま。暢子は周囲を気にせず斬新なことをやって暴走気味。第42回では「親心」と言ってた房子(原田美枝子)を第43回では「意地悪」と愚痴って、ヨシ(大島蓉子)にぴしゃりと叱られました。
朝ドラで主人公をはじめとして家族全員が問題を抱えて、共感しづらい人たちぞろいであることは珍しいです。暢子の料理のように斬新であります。
でもこういう人たちがいないとは言えません。いや、います。世界にはいるのです、こういう人たちが。「万引き家族」という映画がありましたよね。そういう感じです。万引で生計を立ててないだけましです。
おでんにほっこりする視聴者ではなく、斬新なイタリアふうおでんに目を輝かせる新しい視聴者のためのドラマ、それが
「ちむどんどん」。
ウチナーンチュじゃなくても同じ鶴見の仲間。縁がありゃお互い助け合うのが人の道だ(三郎)
三郎(片岡鶴太郎)が言うように、昔ながらのおでんが好きな人も斬新なおでんが好きな人も手を取り合っていきたいものです。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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