<ちむどんどん・東京編>26回~50回の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第33回:恋と料理勝負と
暢子(黒島結菜)は無謀にもオーナー・大城房子(原田美枝子)に料理勝負を挑みます。暢子が勝ったら賄いを作らせてもらえる。負けたらクビ。かなりハイリスクな勝負ですが、暢子は課題のペペロンチーノの試作に励みます。
シンプルだけど奥が深いペペロンチーノ。あまゆの主人夫婦・金城順次(志ぃさー)、トミ(しるさ)と智(前田公輝)に味見をしてもらいながら、何度も何度も作ります。
シンプルとはいえ炭水化物。7回も食べたら、美味しさなんてわからなくなりそうですが……。
智がなんとかお金を作ってまで鶴見にやって来たのは暢子が気になっているから。就職先もアッラ・フォンターナと関わることのできるところを選んだと遠回しに言ってみるものの、暢子は料理に夢中で智の話をまったく聞いていません。
切ない智。このままずっと暢子をひそかに守る役割及び、ニーニーにはない勤勉さを発揮する役割のみで終わってしまうのでしょうか。
その頃、沖縄では、良子(川口春奈)が喜納金吾(渡辺大知)と結婚することを決意しますが、歌子(上白石萌歌)は良子が完全にふっきったとは思えなくて石川博夫(山田裕貴)に会いに行きます。
歌子「幸せ……ですか?」
石川「ごめん そういう勧誘には興味なくて」
このやりとりはちょっとおもしろかった。
恥ずかしがり屋で人見知りの歌子が勇気を出して、石川に良子を止めてほしいと頼みます。
姉のために健気な行動をとっている歌子とは大違いで、ニーニーこと賢秀(竜星涼)は喜納銀蔵(不破万作)に石川に手切れ金を渡すと持ちかけて……。
「まさかやー」です。
賢秀には「悪い」という概念がないのでしょう。じつに無邪気に見えます。
悪びれない賢秀を見ていると労働とお金の常識は誰かが勝手に決めたことであり、それが正しいわけではないのではないかという思いがよぎります。
お金なんてもっと流動的でよくて、資産家のところに集まり過ぎているのではないか。だから必要な人がもっと気軽に借りられるようになるべきなんじゃないか。そんな根源的なところに立ち返ってゆくのです。
「ちむどんどん」はペペロンチーノのように単純に見えて奥深いドラマなのかもしれませんよ。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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